• 《1311》京都大学から画期的鎮痛薬⁉️徹底解説☝️
    Aug 12 2025

    本日の資料

    ・京都大学プレスリリース

    オピオイド危機から人々を救う画期的鎮痛薬―京大病院で医師主導臨床試験が実施された―

    https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2025-08-08


    この放送では皆さまからのご質問・リクエストを大募集しています!こちらのフォームから是非!

    (匿名でも可能です)

    https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdsl7FHjYSSkTwuqtykiCSGVcsFaMFncPHdipuFQRo8C_MFZA/viewform?usp=dialog


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    《AI要約》誤字はご容赦!


    内科医たけお氏が、自身が配信するラジオ番組で、京都大学が開発中の新しい鎮痛薬について補足解説を行いました。これは、先日同大学から発表されたプレスリリース「オピオイド危機から人々を救う画期的な鎮痛薬、京大病院で医師主導臨床試験が実施された」を受けたものです。


    ### 開発の背景と新しい鎮痛薬「アドリアーナ」

    アメリカでは、フェンタニルなどの合成麻薬(オピオイド)の過剰摂取により年間8万人以上が死亡する「オピオイド・クライシス」が深刻な社会問題となっています。この根本的な解決策として、依存性や副作用の少ない、オピオイドに代わる新しい鎮痛薬の開発が急務とされています。

    そこで京都大学が開発したのが、新薬候補「アドリアーナ」です。この薬は、現在行われている臨床試験でその効果が期待されています。


    ### 「アドリアーナ」の作用メカニズム

    鎮痛薬には、ロキソニンに代表される「NSAIDs」や、神経の興奮を抑える薬など様々な種類がありますが、「アドリアーナ」は「ノルアドレナリン」という神経伝達物質に着目した新しいタイプの薬です。

    ノルアドレナリンには鎮痛作用があり、一部の抗うつ薬もこの作用を利用しています。しかし、「アドリアーナ」は既存薬とは異なるメカニズムで作用します。通常、体内では物質が増えすぎないように抑制する「ネガティブフィードバック」という機構が働きます。「アドリアーナ」は、このノルアドレナリンに対する抑制機構を解除することで、鎮痛作用を強力に引き出す仕組みです。


    ### 期待と懸念

    プレスリリースでは、「アドリアーナ」はオピオイド並みに鎮痛作用が強い一方で、依存性や重篤な副作用はないと紹介されています。このため、オピオイドの使用を減らせる画期的な薬として期待が高まっています。

    しかし、たけお氏は、この新薬に期待しつつも、プレスリリースがオピオイドの危険性を過度に強調している点に懸念を示しました。オピオイドは、がんの痛みに対する緩和ケアなど、適切な管理下で使えば非常に有効で不可欠な薬です。新薬の登場によって、オピオイドに対する過剰なネガティブイメージが広まることは避けるべきだと指摘しています。

    また、「鎮痛作用が強い」とされても、臨床現場でオピオイドをどの程度代替できるかは未知数であり、冷静な評価が必要だと述べました。


    ### 今後の展望

    「アドリアーナ」は、日本での第II相臨床試験で良好な結果が出ており、今後はアメリカでも試験が進められる予定です。しかし、実用化されるまでにはまだ時間がかかると見られています。新しい作用機序を持つ鎮痛薬の選択肢が増えることは非常に期待されますが、その真価が問われるのはこれからです。

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    11 mins
  • 《1310》ご意見募集‼️医療における生成AI活用術!☝️
    Aug 11 2025

    参考)

    医療現場で生成AIを使うコツをさくら先生に聞いてみた【帰ってきたさくら先生×内科医たけお対談】

    https://youtube.com/live/ckr2OXp-eoM?feature=share


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    《AI要約》誤字はご容赦!

    内科医たけお氏が「医療現場における生成AIの活用」をテーマに、その可能性と課題について語ります。


    話者自身、学会発表の準備や執筆活動で生成AIを頻繁に活用していると明かします。しかし、生成AIがもっともらしい嘘をつく「ハルシネーション」の危険性を指摘。特に論文作成においては、AIが提示した情報を鵜呑みにすると、存在しない参考文献を引用したり、誤った情報を流布したりするリスクがあるため、最終的な内容の精査と責任は人間が負うべきだと強調します。


    研究活動における具体的な活用法としては、アイデア出し、大まかな構成案の作成、先行研究の調査、文章のチェック機能などが挙げられます。


    さらに話者は、研究分野だけでなく、実際の医療現場での活用に大きな期待を寄せています。最も可能性があると考えているのは、AIが医師と患者の「通訳」の役割を担うことです。診療中にAIが同席し、医師が使う専門用語を患者に分かりやすい言葉で翻訳・説明したり、逆に患者がうまく表現できない症状や質問を整理して医師に伝えたりすることで、双方のコミュニケーションを円滑にする未来像を提示します。


    また、医療現場の業務効率化にも貢献できると述べます。多忙な医療現場では、繰り返し行われる病状説明や基本的な質疑応答をAIに任せることが可能です。さらに、患者向けのパンフレットや説明資料の作成もAIが得意とする分野です。医療者が作成すると専門的で難しくなりがちな内容を、AIが患者の視点に立って分かりやすく表現する手助けをすることで、より質の高い資料が作れると期待を寄せています。


    最後に、生成AIと医療がどう共存・共栄していくかは非常に重要な課題であるとし、リスナーに対しても医療現場でのAI活用アイデアを募集し、締めくくりました。

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    8 mins
  • 《1309》19番目のカルテ第3話 説得か?対話か?それとも…
    Aug 10 2025

    日曜劇場19番目のカルテ

    第3話

    https://www.netflix.com/title/82072592

    https://www.tbs.co.jp/19karte_tbs/story/ep3.html


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    《AI要約》誤字はご容赦!


    医療ドラマ「19番目のカルテ」第3話について、視聴者からのリクエストに応える形で、医療現場における意思決定プロセスを解説します。


    まず、ドラマの医学的設定にはいくつかのツッコミどころがありました。咽頭がんは通常、外科ではなく耳鼻咽喉科・頭頸部外科の領域です。また、院内の他科に意見を求めることは「セカンドオピニオン」ではなく「コンサルテーション」と呼びます。患者本人だけに重要な説明をするのも現実的ではなく、通常は家族も同席します。


    本題は、声を失いたくないアナウンサーが、咽頭がんの手術という唯一の選択肢を前に決断できない、という状況における医療者の対応です。医療現場での意思決定には、大きく3つのモデルがあります。

    1. **パターナリズム**:医師が決定し、患者はそれに従う古いモデル。

    2. **インフォームド・コンセント**:医師が説明し、患者が同意する現在の主流。

    3. **SDM(共同意思決定)**:医師と患者が対話し、価値観を共有しながら共に最善策を決めるモデル。


    ドラマでは、外科医が「説得」を試み、総合診療医が「対話」で患者の背景や価値観を引き出そうとしました。しかし、最も重要なのは、これらの前提となる「十分で正しい情報提供」です。今回のケースで最も欠けていたのはこの点だと感じました。インフォームド・コンセントは、正しい情報が提供されて初めて成立します。その情報が不足したまま同意を求めるのは本末転倒です。患者が正しい判断を下すためには、病状、治療法の選択肢(たとえ一つでも)、手術による声への影響の可能性、予後などについて、客観的な情報が十分に提供されなければなりません。


    また、患者がネットで代替療法やサプリを調べる描写は非常に現代的でリアルでした。そうした情報に惑わされず、最終的に標準医療である手術に至った脚本は良かったと思います。本来であれば、患者が調べてきた情報も含めて医療者が対話し、正しい方向へ導くコミュニケーションが理想的です。


    結論として、このドラマは医療における意思決定の難しさを描いていました。外科医の「説得」はうまくいかず、総合診療医の「対話」は重要ですが、そのどちらの土台にもなるべき「十分な情報提供」がなければ、患者は正しく判断できません。医療コミュニケーションの核心は、まず正しい情報を共有することにあるのです。

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    12 mins
  • 《1308》8月10日は健康ハートの日‼️心雑音💓について徹底解説☝️
    Aug 9 2025

    【本日の資料】

    聴診🩺で心臓に『雑音』があると言われた方へ

    (日本循環器協会)

    https://j-circ-assoc.or.jp/_lib/wp-content/uploads/2023/09/sinzatsuon-A4.pdf


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    《AI要約》誤字はご容赦!


    内科医たけおです。8月10日は「は(8)ーと(10)」の語呂合わせで「健康ハートの日」です。1985年から続くこの記念日にちなみ、今回は「心臓の雑音」と、その背景にある病気「心臓弁膜症」について、日本循環器協会作成のパンフレットを基に詳しく解説します。


    最近、私が多くの健診を担当する中で、心雑音を指摘する機会が少なくありません。しかし、ご本人に自覚がなかったり、以前指摘されたものの放置していたりするケースが多く、この重要なサインが見過ごされていることに危機感を覚えました。そこで、皆さんにぜひ知っていただきたいのです。


    **心臓の構造と心雑音の正体**

    心臓には「右心房・右心室・左心房・左心室」という4つの部屋があり、それぞれの間には血液の逆流を防ぐ「弁」が存在します。この弁が正常に開閉することで、血液は一方通行で効率よく全身に送り出されます。

    正常な心音は「ドックン、ドックン」というリズミカルな音です。しかし、心雑音があると「ザー、クン、ザー、クン」というように、正常な音の間に余計な雑音が入ります。この雑音の多くは、心臓の「弁」に異常が起きているサインなのです。


    **心雑音の原因となる「心臓弁膜症」**

    心雑音の主な原因は「心臓弁膜症」という病気です。これには大きく2つのタイプがあります。

    1. **狭窄(きょうさく)症**: 動脈硬化や石灰化により弁が硬くなり、開きにくくなる状態です。血液の出口が狭くなってしまいます。

    2. **閉鎖不全症**: 弁の建て付けが悪くなり、完全に閉じなくなる状態です。これにより血液が逆流してしまいます。


    心臓弁膜症は65歳を過ぎると急激に増える、高齢者に多い病気です。初期段階では無症状のことがほとんどで、息切れ、胸の痛み、動悸などの症状が現れたときには、病気がかなり進行している可能性があります。だからこそ、健診などで偶然見つかる心雑音は非常に重要な手がかりとなります。


    **心雑音を指摘されたら?**

    もし健診などで「心雑音がありますね」と言われたら、絶対に放置せず、循環器内科を受診してください。そこで行うべき最も重要な検査が「心エコー(心臓超音波)検査」です。

    心エコー検査は、心臓の動きや弁の状態、血液の流れをリアルタイムで詳細に観察できるため、弁膜症の確定診断に不可欠です。この検査によって、どの弁に、どのような異常が、どの程度あるのかを正確に把握できます。


    **心臓弁膜症の治療法**

    治療法は、病気の進行度によって異なります。

    * **保存的治療**: 症状を和らげるための薬物療法です。

    * **手術療法**: 根本的な治療で、カテーテルを用いて弁を治療する方法や、外科手術で弁を修復・交換する方法があります。


    特に近年はカテーテル治療が大きく進歩しており、以前は手術が困難だった高齢の方でも治療を受けられるケースが増えています。


    心雑音は、あなたの心臓が送る大切なメッセージです。無症状だからと軽視せず、指摘されたら必ず専門医に相談し、心エコー検査を受けましょう。早期発見・早期治療が、健康な心臓を長く保つ鍵となります。

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    10 mins
  • 《1307》一週間の放送の振り返りと怒涛のコメント返し☝️
    Aug 7 2025

    ・汗っかき💦の治療

    ・腎臓が好きになる書籍

    ・『終末期』と『人生の最終段階』の振り返り

    ・支援者の支援・援助者の援助

    ・興味シンシン医療ニュース


    今週もたくさんのコメントありがとうございました!

    以下の宿題提出お願いします!

    (質問も大歓迎です←マジ大事!! コメント返しは質問を優先的に取り上げますが、全ての質問に回答できない可能性があることはご了承ください。また【質問】と入れておいていただけると見逃しが少ないです)


    ぜひとも使っていただきたい「たけお2号」

    内科医たけお(2号)に興味シンシンに聞いてみよう☝

    https://chatgpt.com/g/g-680191c357a48191b476839e3368d6c2-nei-ke-yi-takeo-2hao-nixing-wei-sinsinniwen-itemiyou



    《宿題》今週の一番良かった放送の数字を出来れば理由と共に記入ください!

    例)1134


    この放送では皆さまからのご質問・リクエストを大募集しています!こちらのフォームから是非!

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    #医療 

    #健康  

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    《AI要約》誤字はご容赦!

    内科医たけおが、医療に関する質問やニュース解説を行う「心身健康ラジオ」。今回は、先週金曜日(1301回)から昨日(1306回)までの1週間分の放送を振り返り、寄せられたコメントに回答した。


    まず、毎週金曜恒例の振り返り放送(1301回)では、多くのコメントや宿題(人気放送回アンケート)への感謝を述べた。特に、1300回記念の「人気放送ランキング」に多くの票が集まった。


    1302回では「原発性局所多汗症」を取り上げ、悩んでいる人が多い一方で、治療法があることはあまり知られていないと解説。視聴者からは、自身もそうかもしれないという気づきや、ACジャパンのCMで見たことがあるといったコメントが寄せられた。


    1303回では、自身も一部執筆した看護師向け雑誌「エキスパートナース」の増刊号『腎臓が好きになる』を紹介。腎臓病や透析が苦手な医療者にも分かりやすい内容だと説明し、購入報告や興味を示すコメントに感謝を述べた。


    1304回は、以前の放送で反響が大きかった「終末期と人生の最終段階、治療拒否権」について、視聴者からの意見を交えながら深掘りするアンサー配信を行った。このテーマは関心が高く、今後メンバーシップ限定配信や学会発表でも取り上げる予定だと語った。


    1306回は「興味しんしん医療ニュース」として、トランプ元大統領の認知機能、日本の最高齢者、不眠症アプリなどに触れた。アフタートークでは、開発中の新たな鎮痛薬について解説し、視聴者からは専門家とのコラボ配信を期待する声が上がった。


    また、透析医療における支援者(医療スタッフ)の支援「サイコネフロロジーの深い話」の回では、スタッフのバーンアウト問題など、過酷な現場の実情に関するコメントが多く寄せられた。


    各放送回への多くのコメントに感謝し、宿題提出を呼びかけると共に、恒例の「心身じゃんけん」で放送を締めくくった。

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    21 mins
  • 《1305》支援者の支援・援助者の援助とは?(サイコネフロロジーのふか〜い話)
    Aug 6 2025

    【本日のご質問】先日、興味シンシン☝️なご講演を拝聴いたしました。そこから、勉強不足で恐縮ですが一点質問をさせていただきます。「サイコネフロロジーには関わるスタッフも対象」とのお話があり、認識を新たにいたしました。これは受診の形で行われるのでしょうか?どのようなアプローチがなされるのでしょうか。イメージが掴みにくく、ご教授頂けましたら有り難く思います。よろしくお願いいたします。この放送では皆さまからのご質問・リクエストを大募集しています!こちらのフォームから是非!(匿名でも可能です) https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdsl7FHjYSSkTwuqtykiCSGVcsFaMFncPHdipuFQRo8C_MFZA/viewform?usp=dialog面白かった・勉強になった方は「いいね❤」」を、感想・コメントは#心身健康ラジオをつけてX、Threads、インスタStoriesなどでお寄せください!#医療 #健康  #スタエフ医療部《AI要約》誤字はご容赦!内科医たけお氏が、リスナーからの質問に答える形で「サイコネフロロジーにおける医療スタッフへの関わり方」について解説しました。質問は、サイコネフロロジー(腎臓病患者の心理的ケア)では、患者だけでなく関わる医療スタッフもケアの対象になると聞いたが、具体的にどのようなアプローチをするのか、という内容です。たけお氏はまず、この「医療スタッフへの支援」というアプローチは、サイコネフロロジーに限らず、サイコオンコロジー(がん患者の心理ケア)や、より広い意味でのリエゾン・コンサルテーション(身体疾患を持つ患者の精神的問題への介入)にも共通する考え方だと説明しました。特に、透析医療には特殊性があるため、スタッフへのケアが重要になると指摘します。多くの透析患者は週に3回、1回4〜5時間という長時間をクリニックで過ごし、その生活が生涯続くことが少なくありません。このような医療形態は他にほとんどなく、結果として患者と医療スタッフの関係が非常に密接になります。この濃密な関係は、良好な信頼関係を築く上でプラスに働く一方、関係がこじれたり、スタッフ側が精神的に疲弊したりする「バーンアウト」の原因にもなり得ます。統計的にも、透析医療に携わる医療従事者のバーンアウト率は他の診療科に比べて高い傾向にあり、これは特殊な医療環境と、患者との深い人間関係がもたらす精神的負担の大きさを物語っています。たけお氏自身も、そうしたスタッフのケアに携わった経験があるとのことです。このような背景から、サイコネフロロジーでは、患者やその家族だけでなく、彼らを支える医療スタッフもケアの対象とする「支援者への支援」という視点が不可欠になります。具体的なアプローチとしては、必ずしも「受診」という形だけではありません。まずは、特定の患者との関わり方に悩むスタッフからの相談に応じ、アドバイスを行うことが多くあります。また、チーム全体で問題を共有するためのカンファレンスを開くこともあります。一方で、スタッフの精神的な不調が深刻で、明らかに適用障害やうつ状態に陥っている場合や、薬物治療が必要と判断される場合には、受診を勧奨し、診察・治療へと繋げることもあります。結論として、透析医療の現場では、患者だけでなく、それを支える医療者も精神的に大きな負担を抱えやすい状況にあります。医療者は貴重な人材であり、彼らがバーンアウトせずに健全に働き続けられるようサポートすることは、サイコネフロロジー領域における専門職の重要な役割であると締めくくりました。

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    8 mins
  • 《1306》トランプ御乱心?日本最高齢114歳、不眠症アプリほか
    Aug 6 2025
    【今週の興味シンシン医療ニュース】 ・トランプさん、大丈夫?・国内最高齢114歳はお医者さん!・不眠症治療用アプリがついに!?・低価値医療が10人に1人・・・https://note.com/naikaitakeo/n/ne412aa1a004bこの放送では皆さまからのご質問・リクエストを大募集しています!こちらのフォームから是非!(匿名でも可能です) https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdsl7FHjYSSkTwuqtykiCSGVcsFaMFncPHdipuFQRo8C_MFZA/viewform?usp=dialog面白かった・勉強になった方は「いいね❤」」を、感想・コメントは#心身健康ラジオ#たけおがお答えしますをつけてX、Threads、インスタStoriesなどでお寄せください!#医療 #健康  #スタエフ医療部■AI要約(誤字はご勘弁ください)内科医たけおです。毎週木曜日は、今週の興味深い医療ニュースをお届けしています。今週は非常に豊作で、厳選した4つのテーマについてお話ししますが、1つ目のテーマの中に3本のニュースが含まれているため、実質6本のニュースを紹介します。**1. トランプ氏関連の医療ニュース3本**今週はトランプ氏に関する医療ニュースが非常に多く、3本ご紹介します。まず1つ目は、トランプ米大統領が製薬大手17社に対し、医薬品価格の引き下げを60日以内に対応するよう要求したというニュースです。アメリカの薬価は非常に高いと問題視されており、トランプ氏はこの是正を求めています。しかし、薬価を下げすぎると、諸外国で使える新薬がアメリカで発売されなくなる「ドラッグ・ラグ」が生じる懸念もあり、難しい問題です。2つ目は、トランプ政権が肥満治療薬を試験的に公的医療保険(メディケア、メディケイド)の対象にすることを計画しているというニュースです。アメリカでは肥満が深刻な社会問題となっており、その治療を保険でカバーしようという動きです。薬価引き下げを要求する一方で、特定の治療薬は保険適用するという、一見矛盾した動きに見えます。3つ目は、輸入品への医薬品関税を段階的に最大250%まで引き上げるというニュースです。当初は低い税率から始め、最終的に250%という驚異的な関税を課すことで、自国の製薬メーカーを保護する狙いがあるようです。しかし、これによりジェネリック医薬品などが国内に入ってこなくなり、国民の健康を損なう可能性も懸念されます。https://news.yahoo.co.jp/articles/55d2fb24054448652b546151b778753031bafd55https://news.yahoo.co.jp/articles/b41a96c391ccbe426b49866617dd01c0fcefb805https://news.yahoo.co.jp/articles/6a662b83c613a42be647990db64be6d15c55586c**2. 国内最高齢は114歳の女性医師**国内最高齢の方が、奈良県在住の114歳の香川しげこさんという女性医師であることが報じられました。産婦人科医として往診で歩き回ったことが健康維持に役立っているそうです。1970年の大阪万博では救護の担当医を務めたという経歴もお持ちです。当時、女性医師は非常に少なかった時代であり、その中で活躍されたことは本当に素晴らしいことだと思います。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF041PY0U5A800C2000000/**3. 不眠治療アプリが保険適用へ前進**不眠症の治療用アプリが、保険適用に向けて大きく前進したというニュースです。このアプリは一度承認が見送られましたが、再申請が厚労省の調査会で了承されました。私もこのアプリには非常に期待しており、以前説明を聞いたことがあります。もし保険適用が実現すれば、自身のクリニックでも導入を検討したいと考えています。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2837Y0Y5A720C2000000/**4. 10人に1人が受ける「低価値医療」の実態**筑波大学などの調査で、外来患者の10人に1人が、効果が薄い、あるいは不要とされる「低価値医療」を受けていることが明らかになりました。具体例としては、ウイルス性の風邪に対する抗菌薬の処方や、骨粗鬆症に対する過剰な頻度の骨密度検査などが挙げられます。さらに興味深いのは、こうした低価値医療は特定の医師(全体の約10%)に集中しており、その医師たちが低価値医療全体の半数近くを行っているという点です。これは、一部の医師が最新の医療知識へアップデートできていない可能性を示唆しています。医師免許には更新制度がないため、医師の生涯教育のあり方が改...
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    12 mins
  • 《1304》『終末期』と『人生の最終段階』について&治療拒否権
    Aug 4 2025

    ■予習の放送

    《1296》『終末期』と『人生の最終段階』は同じ?違う?治療拒否権は?

    https://stand.fm/episodes/68853ed8e6dcad4466e94f83


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    《AI要約》誤字はご容赦!


    内科医たけおです。この放送では、医療に関する質問やリクエストにお答えしています。


    今回は、以前の放送でリスナーの皆様にご意見を募った「終末期と人生の最終段階の違い」および「治療拒否権」について、寄せられた多くのコメントを紹介し、私自身の見解も交えながらお話しします。


    まず「終末期と人生の最終段階の違い」についてです。多くのリスナーから多様なご意見をいただきました。

    全体的な傾向として、「終末期」は医療者が判断する、病気による比較的短い期間(数ヶ月程度)というイメージを持つ方が多いようです。一方で、「人生の最終段階」は、病気の有無にかかわらず本人が意識する、より長く広い期間と捉える意見が目立ちました。「終末期という言葉は一般的にはあまり使わない」という指摘もありました。

    中には、「ほぼ同じ意味ではないか」と考える方や、逆に「終末期は余命と関係なく、終活と関連する言葉」と捉える方もいて、人によって解釈が大きく異なることがわかりました。


    私自身の補足ですが、厚生労働省のガイドラインでも、かつては「終末期」という言葉が使われていましたが、現在は「人生の最終段階」という表現に変わっています。しかし、その「人生の最終段階」の定義も、がんのように予後がある程度予測できる場合から、心不全や老衰のように数ヶ月から数年にわたる場合まで含まれており、非常に幅が広いです。特にがん以外の疾患では予後予測が極めて難しく、明確に定義するのは困難です。


    次に「治療拒否権」についてです。こちらについても、ほとんどの方が「認めるべきだ」というご意見でした。ただし、その多くが「本人に十分な説明がなされ、正しく理解している」という条件を付けています。

    医療者側の視点として、「治療した方が良いのに」と思うこともありますが、治療によって本人が自分らしい最期を迎えられないと感じるのであれば、その選択は尊重されるべきだという意見もありました。


    私も総論としては、治療拒否権はあって良いと考えています。しかし、実際には不適切な情報や誤解に基づいて拒否されているケースも少なくありません。例えば、昔の辛いイメージのまま透析を拒否される方もいますが、現在では状況が大きく異なっています。そのため、医療者としてはまず正しい情報を提供したい、という強い思いがあります。期間限定で治療を試す「タイムリミテッドトライアル(TLT)」という考え方も重要ですが、まだ十分に浸透していないのが現状です。


    今回、非常に多くの貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。これらのテーマは定義が難しく、個人の価値観や状況によって捉え方が大きく異なる、非常に重要な問題だと再認識しました。いただいたご意見は、何らかの形でまとめて発表できればと考えています。

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    20 mins