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名古屋ではたらく社長のITニュースポッドキャスト

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By: ikuo suzuki
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システムサーバーの社長である鈴木生雄が気になるITニュースをピックアップして数分のコンテンツとしてお届けする番組です。主に取り上げるニュースはAI、半導体、ビッグテック企業です。ikuo suzuki Politics & Government
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  • Ep.594 DeepSeek V3.1 “Terminus”公開──多言語の安定化とエージェント強化で“使える”開源モデルへ(2025年9月25日配信)
    Sep 24 2025

    9月23日、DeepSeekがV3.1の改良版「DeepSeek-V3.1-Terminus」を公開しました。位置づけは“サービスパック”で、英中が混ざるなどの表記ゆれを抑え、エージェント機能ではSearch/Codeの挙動を磨き込んだ――と公式モデルカードが説明しています。実際のベンチでは、BrowseCompが30.0→38.5に伸長、SWE Verifiedは66.0→68.4へ。いっぽうで中国語ブラウズのBrowseComp-zhは49.2→45.0と軽微な後退、Codeforcesのコンテスト指標も2091→2046とわずかに低下という“現場調整の跡”も併記されました。重い推論そのものは据え置きつつ、“道具を使う仕事”の信頼性を上げた格好です。

    Hugging Face


    配布は“即・実務向け”の設計です。Hugging FaceではMITライセンスで重みが公開され、同カード上で「V3.1→Terminusはユーザー指摘の修正と安定化を図ったアップデート」と明記。構造はV3と同一で、運用や推論コードは既存資産を流用できます。API側もApp/Web/APIで順次使えると開発者向けニュースに記され、OpenRouterでもTerminusの提供が始まっています。


    背景の土台はV3系のMoEです。総671Bパラメータのうち約37Bをトークンごとに動かす設計で、大規模ながら“燃費”を確保するのが持ち味。V3.1世代では1モデルでThinking/Non-Thinkingを切り替えられ、Terminusはこの運用にそのまま乗るため、重めの長考も軽い短答も一枚で扱えます。


    産業面の意味合いをひと言でいえば、「開源×実務の足腰がさらに固まった」。価格破壊で脚光を浴びたDeepSeekは、今年前半のV3アップグレードを経て、いまは“検索・コード・端末操作”といったエージェント系の実用度を上げる段階に入っています。各社モデルが競う中でも、オープンな重みとMITライセンス、そしてブラウズやツール接続の強化は、RAGや社内FAQ、開発支援ボットの“日常運用”に効く要素です。


    現場の使いどころとしては、まずはRAGや社内調査でTerminusを既存V3.1の置き換えに当て、BrowseComp系の改善が効く領域(検索→要約→根拠提示)を優先導入するのが現実的です。対話はNon-Thinkingで軽く回し、詰めの検証や根拠組み立てはThinkingに切替える――そんな“可変思考”の運用がしやすくなります。逆に、競技プログラミングのような純粋推論の一部は従来比で伸びが限定的という前提を置き、評価とロールアウトを切り分けて進めるのが安全策でしょう。

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    4 mins
  • Ep.593 OpenAI×NVIDIA、10GWのAIデータセンター提携──“Vera Rubin”で次世代AI工場を起動(2025年9月25日配信)
    Sep 24 2025

    OpenAIとNVIDIAが、少なくとも10ギガワット分のNVIDIAシステムを段階的に導入する戦略的パートナーシップで基本合意(LOI)しました。総計では“数百万枚のGPU”に相当する規模で、OpenAIの次世代インフラ――学習・推論の両面で“超知能”に向けた土台づくりを加速させます。NVIDIAは各ギガワットの導入に合わせ、最大1000億ドルをOpenAIに段階投資する枠組みを明示。第1期の1GWは2026年後半にNVIDIAの新プラットフォーム「Vera Rubin」で立ち上げる計画です。


    両社はハードとソフトのロードマップを“相互最適化”する方針で、OpenAIはNVIDIAを戦略的な計算・ネットワークの優先パートナーとして位置づけます。今回の提携は、MicrosoftやOracle、SoftBank、そしてStargateパートナーとの既存の取り組みを補完するものとされ、OpenAIは“週あたり7億人のアクティブユーザー”を背景に次のステージへ進むと述べています。発表声明では、フアン氏が「10GWの展開で次の知能の時代を駆動する」と語り、アルトマン氏は「これからの経済の基盤はコンピュート」と強調しました。


    実務の含意は三つあります。第一に、電力・用地・送配電の確保を伴う“ギガワット級”の計画を、GPU供給と資金調達を一体に縛る設計で前に進める点です。第二に、Vera Rubinを核にした標準ラック/ネットワーク設計をOpenAIのモデル・インフラソフト側に合わせて磨くことで、学習・推論ともに“レイテンシとスループットの実効”を引き出す狙いが見えます。第三に、Stargateや既存クラウド連携と並列で走らせることで、地理分散と主権要件を満たしながら“計算の在庫”を厚くする布陣が整いつつあります。


    総じて、今回のLOIは「モデルとデータセンターを同時に拡張する」ための現実解です。GPUだけでなく“ギガワット単位の電力と資本”を束ねる契約構造を採り、2026年後半の1GW立ち上げから10GWへ――OpenAIとNVIDIAは、AI時代の“産業インフラ”を本格的に共同で積み上げる段階に入りました。

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    4 mins
  • Ep.592 Qwen3-Omni登場──“聞く・見る・話す”を一体化したオムニモデルの本命(2025年9月25日配信)
    Sep 24 2025

    Qwenが“オムニ”を名乗る新基盤「Qwen3-Omni」を公開しました。最大の特徴は、聞く(ASR・音声理解)・見る(画像/動画理解)・話す(リアルタイムTTS)までを一枚のモデルで直結し、会話のターン取りまで自然にこなす点です。GitHubの技術ページによれば、Omniは119のテキスト言語、19の音声入力言語、10の音声出力言語をサポート。音声/音声–映像のベンチ36種中32でオープンソースSOTA、22でSOTAを獲得し、ASRやボイス会話はGemini 2.5 Proと同等級の性能に達したと整理しています。


    設計面の肝はMoEベースの“Thinker–Talker”。重い推論はThinkerに寄せ、返答音声の生成はTalker側の多コードブック表現で極小レイテンシ化。これに、テキスト先行の事前学習(AuT)と混合モーダルトレーニングを重ねることで、音声や映像に強くなっても、テキストと画像の単独性能が落ちない“底の強さ”を保ったといいます。加えて、30B級のOmniには“Captioner”派生もあり、音源の微細描写に長けた音声キャプショニングをオープン提供してコミュニティの穴を埋める狙いも見えます。


    実装の足場も整っています。ローカル実行はTransformers/vLLMやDocker手順が用意され、リアルタイムAPIやオフラインAPIも案内。Cookbookでは、音声認識・歌詞起こし・音声翻訳・音楽解析・動画記述・音声関数呼び出しなどの実行ログが公開され、開発者がプロンプト設計や運用設定をそのまま移植できる構成です。


    現場での効きどころは三つです。第一に、音声エージェントの“会話らしさ”。低遅延TTSとマルチ言語ASRで、問い合わせ→即応答の往復が短くなります。第二に、動画×音声の同時理解。作業手順動画を見せながら口頭で質問する等、“手がふさがる現場”での支援が現実味を帯びます。第三に、運用の一体化。ASR/翻訳/TTS/視覚理解を個別モデルで積み木する代わりに、Omniでワンパス化することで遅延と統合コストを削れます。GitHubの評価表が示すとおり、テキスト・画像の基礎体力を落とさずに音声・映像の頭を伸ばしたバランスが、企業導入の“総合点”を引き上げるはずです。


    一方の留意点。Omniの強みは“統合”にありますが、現実運用ではデータ境界や監査要件に応じてAPI/オンプレを使い分ける設計が必要です。また、SOTA主張は一次資料ベースの相対評価で、ユースケース適合の最終判断は自社データでのA/B検証が不可欠。とはいえ、公開CookbookとリアルタイムAPIの組み合わせは、検証→PoC→本番の“動線”を明らかに短くしてくれます。

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    5 mins
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