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FRBの方向転換に株価はどう反応するか

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先週のジャクソンホール会議におけるFRBのパウエル議長の発言が、9月にも利下げが実施される可能性を残す内容だったことから、市場の専門家は活発に意見を交わしています。弊社の最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、米国株式に対する引き続き強気な見通しについて説明します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。今回は、最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、FRBが発信した政策に関する新たなシグナルと、それが株価にとって意味するものについて解説します。このエピソードは8月25日 にニューヨークにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。数ヵ月前から市場は、FRBが秋に、よりハト派的な姿勢に転じると予想するようになりました。より具体的には、FRBが9月に再び利下げを開始する公算が大きいことを、債券市場が織り込み始めました。関税、国際紛争およびバリュエーションに関する懸念が残っているにもかかわらず、株式市場は、こうした債券市場のシグナルを手がかりに、夏の大半の期間において、上昇しました。過去に比べて堅調な業績予想修正に弊社は注目しており、さらに、依然として時期は不透明だとしても、FRBの次の一手は利下げになるとの見解を念頭に、我々は同じ期間、強気スタンスを維持してきました。FRBが毎年ジャクソンホールで開催する経済シンポジウムが、先日、開催されました。FRBは通常、目先の政策意図や、戦略的な政策の枠組みにおけるより広範な判断について説明します。今回の重要なポイントは以下の2点です。第1に、前回パウエル議長が公に話した時に比べて、FRBが9月に利下げする見込みは強まったように見えます。この変化が起こる1週間前には、市場が既に理解しているものがインフレ指標によって確認されるまで、パウエル議長がよりタカ派的な姿勢を維持するのか、市場は決めかねていました。明らかにパウエル議長はハト派寄りに傾きました。そして、金曜午前中のパウエル議長の講演を前に市場はやや神経質に推移していたため、株価は取引終了までに大幅に上昇しました。第2に、FRBは、今後はインフレ率の目標を平均で2%とはしないことも示唆しました。今後は、常時2%が目標になります。これは、2021-22年にFRBが行ったように、平均で目標を達成するために、目標を上回る水準や下回る水準を容認しないことを意味します。同時に、現在予想されているよりも力強く景気が回復するか、またはインフレが再加速した場合は、FRBがよりタカ派的な姿勢をとることも示唆しています。筆者の視点からは、これは今後数週間の株価にとって強気な要因で、現在、市場は9月の利下げを完全に分織り込むことができます。ただし、S&P 500が以前から我々が維持している目標の6500ポイントに近付くに伴い、9月と10月は考慮に値するリスクがいくつかあります。第1は、経済成長の上振れまたは予想より高いインフレのいずれかを理由に、FRBが利下げを行わないと判断するリスクです。その場合、現在、高い確率で利下げが実施されることが織り込まれているため、株価に若干の調整が入ると見られます。第2のリスクは、FRBは利下げを行うものの、債券市場が、これまでインフレに対して全く無防備だったと判断し、中長期債の利回りが急上昇するリスクです。10年物米国債利回りが急上昇すると、米国債とFRBが再び主導権を取り戻すまで、株価に、より大幅な調整が入ると見られます。ここで重要なメッセージをお伝えしたいと思います。大規模な弱気相場は4月に終わり、新たな強気相場が始まりました。新たな強気相場が4ヵ月しか続かないことは稀で、少なくとも1年から2年は続くと見られます。したがって、この秋に押し目があれば、中長期投資にとっては買いの好機となるでしょう。こうした弊社見解への確信をさらに後押...
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