市場の風を読む cover art

市場の風を読む

市場の風を読む

By: Morgan Stanley
Listen for free

About this listen

モルガン・スタンレーが配信する金融ポッドキャスト「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)では、マーケットに影響を与える様々な事象について当社のソートリーダーによる考察をお届けします。

© Morgan Stanley & Co. LLC
Economics Personal Finance
Episodes
  • サイバーセキュリティがポートフォリオを変えつつある
    Sep 12 2025
    サイバー犯罪が加速する中、サイバーセキュリティは底堅い投資機会として急成長しています。このような市場の変化の原動力となっている重要なトレンドについて弊社サイバーセキュリティ&ネットワーク関連機器担当アナリストのミータ・マーシャルが解説します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。本日はサイバーセキュリティ&ネットワーク関連機器担当アナリストのミータ・マーシャルが登壇し、サイバー犯罪に対するデジタル防衛の未来について解説します。このエピソードは9月12日 にニューヨークにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。朝起きると、サイバー攻撃を受けて預金残高がゼロになっていた、業務運営がフリーズしていた、個人情報が漏洩していたと想像してみてください。サイバーセキュリティは今や一部の特別な人だけの問題ではありません。消費者であり投資家である我々すべてに影響が及びます。デジタル環境がますます複雑化する中で、サイバー犯罪の規模と深刻さは増しています。このことは企業が支出を増やしてもそれ以上の勢いでリスクが増えていることを意味します。投資家にとって、これは警告であり機会でもあります。サイバーセキュリティの市場規模は現在2,700億ドルです。弊社の予想では2028年まで年率12%のペースで拡大する見通しで、成長率はソフトウェアの中でトップクラスです。もうひとつ注目すべき数字があります。弊社がアンケート調査を実施した企業のCIOは、サイバーセキュリティ支出がソフトウェア支出全体を50%上回るペースで伸びると予想しています。これはサイバーセキュリティがIT予算の中で最もディフェンシブな領域であり、厳しい時期でも最も削減されにくいことを示しています。投資家はすでにこれに気づいています。セキュリティソフトウェア株は幅広い市場を上回るパフォーマンスを上げており、過去3年間のリターンはソフトウェア全体の22%を上回る58%で、NASDAQは79%でした。AIの登場によってハッカーの攻撃方法が増え、それらの脅威が進化する方向性も増えるため、セキュリティソフトウェア株がソフトウェア全般をアウトパフォームする状況は今後も続くと思われます。今後は相互に関係し合ったいくつかの非常に大きなテーマがサイバーセキュリティ株の投資機会を高めるものと考えます。中でも最大のテーマのひとつはプラットフォーム化、つまりセキュリティツールと統合プラットフォームの一体化です。大手企業は現在、平均で130もの異なるサイバーセキュリティツールを使用しています。ロボットやドローンのようなコネクテッドデバイスの登場により、統合セキュリティプラットフォームの重要性が今まで以上に増す中で、このようなやり方は分かりにくく複雑になりがちで、防御に重大な欠陥が生じる可能性があります。その他に考慮すべきこととして、セキュリティ投資はIT予算全体の6%を占めていますが、AI投資では全体の1%に過ぎないことが挙げられます。つまり、AIが業務運営で中心的な役割を果たすようになるにつれ、大きな成長余地があるといえます。今日のサイバーセキュリティ戦では、多くのツールを積み重ねたり、最新のバズワードを追うだけでは不十分です。弊社の見立てでは、カオス状態を分かりやすい状態に変えられるサイバーセキュリティ・プロバイダーが最大の勝者の一角を占めるでしょう。これらの企業は売上高とフリーキャッシュフローを増やすだけでなく、断片化した多数の防衛ツールを管理しやすい統合プラットフォームにまとめています。これらの企業は単に大きくなるだけでなく、賢さと迅速性と回復力を高めたいと考えています。そして、雑音を遮断し、システムを切れ目なく稼働させ、新たな脅威の出現に直ちに順応することが重要だと理解しています。サイバーセキュリティの領域では複雑さは害...
    Show More Show Less
    6 mins
  • 印中貿易の次の展開は?
    Sep 11 2025
    アジア担当チーフ・エコノミストのチェタン・アハヤが、変化し続けるインドと中国の貿易関係が、世界のサプライチェーンの見直しや新たな投資機会の発見につながる可能性についてお話します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。今回はアジア担当チーフ・エコノミストのチェタン・アハヤが、現代の最も重要な経済関係の一つであるインドと中国の関係、そして両国関係がこの先どうなるのかについて解説します。このエピソードは9月11日 に香港にて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。インドと中国の貿易ダイナミクスは急速に変化しています。このダイナミクスは両国自身の将来を方向付けているだけではありません。世界のサプライチェーンや投資の流れに影響を及ぼしています。インドの対中貿易は過去10年間で2倍近くに拡大しています。インドにとって中国は最大の貿易赤字国であり、対中貿易赤字は現在1,200億ドルに達しています。一方、中国のインドに対する貿易黒字は、全てのアジア諸国の中でも最大級の規模に膨らんでいます。経済的必要性ゆえにこうした両国の貿易関係はいっそう深まるでしょう。インドは技術的な専門知識や資本財、重要な構成品目の支援が必要です。中国は、新興国で2番目の経済規模と成長率を誇るインドにおける成長機会をうまく活用する必要があります。これらの問題について順番に考察してみましょう。インドは世界のバリューチェーンの一角に入り込む必要があります。そしてそのためには、中国からの直接投資が必要です。まさに中国が米国、欧州、日本、韓国からの直接投資によって技術や専門知識を取得し、経済大国にのし上がったのと同じような構図です。インドにとって、中国の対外直接投資の規制緩和はゲームチェンジャーになり、技術的なノウハウの移転や製造業の競争力強化につながる可能性があります。現在、中国は世界最大の製造業国です。世界のバリューチェーンの40%以上を占めており、これは米国の13%やインドのわずか4%を大幅に上回る規模です。世界の財の貿易は徐々に、半導体や電気自動車、電気自動車用バッテリー、ソーラーパネルなど、バリューチェーンの上流の製品が中心になってきています。そして中国は8つの主要製造業セクターのうち6つのセクターで世界1位の輸出国です。簡潔に言えば、世界のバリューチェーンへの関与を高めたい国はみな、中国との貿易を増やさなければならないでしょう。インドにとってこれは、資本財や自国の産業化に必要とされる重要な構成品目に対する需要が増える中、需要を満たすには中国からの輸入に頼らなければならないことを意味します。実際、こうしたことはすでに起きています。インドの中国および香港からの輸入の半分以上が資本財、すなわち、製造業やインフラ投資に必要な機械設備です。このほか輸入の3分の1を工業製品が占めており、インドが重要な構成品目の供給元として中国に依存していることが分かります。中国の観点からすると、インドは2番目に大きく、最も成長率の高い新興国市場です。米中貿易問題が続く中、中国は輸出市場の多様化を進めており、インドは大きな機会を見込める市場です。中国企業がこの成長機会を捉える一つの方法は、インドに投資して国内市場の需要に応えることです。中国の携帯電話会社はすでにこれを実行しており、これが他のセクターにも広がるかどうかはインドの市場開放次第となるでしょう。要するに、インドは製造業や技術における中国の強みをうまく活用できる一方で、中国は輸出先や投資先としてインドの巨大な市場を利用することができるのです。しかし、気を付けなければならないのは地政学的要因です。経済的必要性から貿易や投資の関係は深まると考えられますが、政治情勢によって進ちょくが遅くなる可能性があります。投資家はこの点...
    Show More Show Less
    6 mins
  • 金が市場で輝きを保つ理由
    Sep 10 2025
    金に対する強気見通しと、25年の金相場の上昇が示すインフレ、中央銀行、世界のリスク状況について金属・鉱業コモディティ・ストラテジストのエイミー・ガウアーが解説します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。今回は金が投資家にとって単なる安全資産にとどまらないことと、金が示す今の世界経済と市場の状況について、弊社金属・鉱業 コモディティ・ストラテジストのエイミー・ガウアーが解説します。このエピソードは9月9日 にロンドンにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。金は不確実性の時代の投資先として常に選ばれてきました。ただ、2025年になって金の役割は進化しつつあります。投資家は金をインフレヘッジとしてだけでなく、中央銀行の金融政策から地政学リスクまで含めたあらゆる事柄を測るバロメーターとして捉えています。金相場の変動は、多くの場合、水面下で何か重要なことが起きているサインです。金は年初来で39%、銀は42%とどちらもすでに大幅に上昇しています。この上昇の背景には何があるのでしょうか。いくつかの要因が挙げられます。ひとつは、中央銀行が今年も大量購入を続けていることです。中銀の準備資産に占める金の比率は1996年以来初めて国債を上回りました。これは金の長期的価値に対する強い信認を示します。また、金に連動する上場投資信託(ETF)には8月だけでも50億ドルの資金が流入し、年初来の流入額は2020年を除いて過去最大に達しており、機関投資家の関心の高まりが改めて示されました。多くの主要国で目標値を上回るインフレが続く中、金は収益を生まない資産であるにも関わらず、驚くほど根強い魅力を保っています。そして投資家は中央銀行がまもなく利下げせざるを得ないだろう見ており、そうなれば金相場はさらに上昇する可能性があります。実際、弊社では年末までにさらにおよそ 約5%の上昇を予想し、史上最高値の1オンス3,800ドルに達すると見ています。ただし、考慮すべき重大な点がひとつあります。貴金属、とりわけ金は主にマクロ経済が不透明な時期のヘッジや安全資産とみなされますが、貴金属市場全体を見ると宝飾品がかなりの比率を占めています。金は需要の40%、銀は35%が宝飾品です。そして、宝飾品需要の見通しは現時点では不透明です。実のところ、宝飾品需要はすでに減速の兆しが見えています。第2四半期の金の宝飾品需要は2020年第3四半期以降で最低となりました。金価格が高騰し、消費者が購入を手控えたためです。ただ、それにもかかわらず金は1-4月に上昇した後の水準を保ち、銀は太陽光発電業界の旺盛な需要を受けて上昇し続けました。しかし、金と銀はどちらも最近までさらなる上昇の牽引役が不在でした。ただ、現在はこれが変わりつつあり、金と銀の両方がFRBの利下げから恩恵を受けると見られます。弊社エコノミストはFRBが9月の会合で利下げすると予想しており、利下げは2024年12月以来となります。1990年代を振り返ると、FRBが利下げサイクルを開始して最初の60日間に金は平均6%、銀は平均4%上昇しています。利下げによって収益を生まない資産の競争力が高まるためです。また、弊社の為替ストラテジストはドル安の進行を見込んでおり、したがってドル以外の通貨の保有者にとっては価格圧力が多少和らぐと思われます。インドの金・銀の輸入は7月にすでに改善の兆しが出ています。インドは物品・サービス税改革も予定しており、それによって祭礼・婚礼シーズン前に金銀を購買する余力が増す可能性があります。金はFRBの利下げ後にアウトパフォームする傾向があるため、弊社は引き続き銀よりも金を選好しますが、弊社の見通しは金銀ともに良好です。もちろん、貴金属は無リスクではありません。価格変動があり、もし中央銀行が予想外に利上げすれば、特に金は多少魅力を失う可能性があります。しかし...
    Show More Show Less
    7 mins
No reviews yet
In the spirit of reconciliation, Audible acknowledges the Traditional Custodians of country throughout Australia and their connections to land, sea and community. We pay our respect to their elders past and present and extend that respect to all Aboriginal and Torres Strait Islander peoples today.