日本のソウルバー総本山、「MIRACLE」に行かなくては《赤坂》 #21 cover art

日本のソウルバー総本山、「MIRACLE」に行かなくては《赤坂》 #21

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「アレサ・フランクリンは?」「ソウル」 「スティービー・ワンダーは?」「ソウル」 「木梨憲武は?」「曲に依る」 「なぎら健壱は?」「たぶん違う。フォーク」 「所ジョージは?」「絶対違う」 中野ブロードウェイの「フナリヤ」さんの取材が終わった直後。 中野サンモール内の喫茶店で比較的音楽に詳しい松重ディレクターに「ソウル」とはどんな音楽を指すのかを、上記のごとく具体例から掴もうとしたのですが、だんだんと松重も混乱し「曲に依る」ばかり言うようになり、所さんだけが入れない悲しき「ソウル・ワールド」が頭のなかに構築されるだけで全く以ってソウルミュージックの輪郭が掴めぬまま、気づけばもう赤坂のソウルバー「MIRACLE(ミラクル)」内の席に座っており、隣では松重が店主である林さんにこの店の来歴についてインタビューを始めているではありませんか。 そもそも「ソウルバー」という業態も知りませんでしたし、それが赤坂、TBSから徒歩五分のところにあることすらつゆ知らずでした。一歩踏み入れれば、どうやら筆者だけが知らない、恐らくはソウルミュージックの歴史を彩ってきた名盤ジャケポスターの数々。そして、カウンター横には大きな御遺影。無知な筆者でも流石にわかります。この御遺影だけは特別なものであると。 実はミラクルのオーナーであり、ソウルバーという業態のパイオニアでいらっしゃった川畑満男さんが、2023年5月16日に逝去。林さんはこちらのお店を引き継がれたばかり。そうしたなかでも、快く取材を受け入れてくださったのです。 一体、先代の川畑さんはどんな方だったのか。林さんに問えば、とにかく「音楽……」と当然のごとく自粛語が飛び出しましたが実際、音楽愛は凄まじく「MIRACLE」のDJ卓裏だけで1万枚以上のレコードが収められ、これだって川畑さんが蒐集したレコードのほんの一部。お手元にはどれだけの数があったのか。想像するに日本で最も「丸」を見た方かもしれません。 どうでしょうか。ここまで一切、ソウルミュージックについて触れずに書いてしまいました。しかし思い出すほどに、不思議と「MIRACLE」に再びお邪魔したい気持ちが湧き上がって来ます。これはひとえにお店の雰囲気、そして林さんのお人柄によるもの。 「ちょっと興味を持ったら、気軽に寄っていただけら」 そうなのです。ここソウルバー「MIRACLE」は紹介制でも会員制でもなんでもありません。本当に、ふらりと立ち寄っていただいて構わない、そんなお店なのです。そしてそれは先代川畑さんが目指したお店のスタイルでありました。ソウル好きだけが集まるお店ではないのです。そんな素敵な場所を開いてくださっている林さんの愛に感謝しつつ、世田谷で待っている所ジョージを、迎えに行かなくてはなりません。 文責:洛田二十日(スタッフ) Learn more about your ad choices. Visit megaphone.fm/adchoices
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