Ep.928 盟主交代の瞬間──Appleを追い抜くNVIDIA、TSMC「3ナノ」争奪戦の行方(2026年2月12日配信)
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これまで長年にわたり、TSMCにとっての「最重要顧客」といえばAppleでした。しかし、今まさにその歴史が塗り替えられようとしています。日本経済新聞によると、AppleがiPhone 17向けの先端半導体確保に苦戦しており、その背景にはNVIDIAの猛烈な追い上げがあるとのことです。
まず、お手元の資料をご覧ください。TSMCの売上構成比において、かつて主役だった「スマホ」向けが30%近くまで低下する一方で、「AI・HPC(高性能計算)」向けが50%を超えようとしています。これは単なる数字の逆転ではなく、業界のパワーバランスが完全にシフトしたことを示しています。
2026年2月現在、Appleは今秋発売予定の「iPhone 17」シリーズ向けに、TSMCの3ナノメートルプロセス(N3P)での量産を計画しています。しかし、ここで競合するのがNVIDIAの次世代AIチップ「Rubin」です。Rubinもまた、同じく3ナノプロセスを使用し、さらに製造工程で非常に手のかかる「CoWoS」というパッケージング技術を大量に必要とします。
NVIDIAのジェンスン・ファンCEOは、足繁く台湾を訪れ、TSMCとの関係を「運命共同体」とまで表現して強固なサプライチェーンを築き上げました。一方、Appleのティム・クックCEOは決算説明会で供給制約を認める異例の発言を行っています。かつてAppleは、巨額の投資と引き換えに最先端ラインを独占することが常でしたが、一個数百万円で飛ぶように売れるAIチップを大量に注文するNVIDIAに対し、もはや以前ほどの「優先権」を行使できなくなっているのです。
この争奪戦は、私たち消費者の手元に届くiPhoneの生産数に影響するだけでなく、AIインフラの拡充スピードそのものを左右します。TSMCの生産能力がボトルネックとなり、スマホとAI、どちらの進化を優先するのかという究極の選択が迫られていると言えるでしょう。