Ep.924 マイクロソフト、悪夢の「連続格下げ」──AI投資の“1150億ドルの請求書”に震えるウォール街(2026年2月12日配信)
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「AIの王者」として君臨してきたマイクロソフトに、冷たい風が吹き荒れています。2月9日、ウォール街で有力視される調査会社Melius Researchが、同社の投資判断を「買い」から「中立(Hold)」へと引き下げました。
事態が深刻なのは、これが単発のネガティブニュースではないからです。実は先週、投資銀行のStifelも同様の格下げを行っており、わずか一週間のうちに二つの主要機関がマイクロソフトに対して「待った」をかけたことになります。市場では「AIバブルの終わりの始まりではないか」という不安の声さえ聞こえ始めています。
Web検索とアナリストレポートを分析すると、格下げの理由は明確です。それは「投資とリターンの不均衡」です。Meliusの著名アナリスト、ベン・ライツ氏はレポートの中で、マイクロソフトが2026年に計画している設備投資(CapEx)が1,150億ドル、日本円にして約17兆円という天文学的な数字に達することに警鐘を鳴らしました。
これほどの巨額を投じる一方で、肝心の収益源となるはずの「Copilot」の普及は遅々として進んでいません。ライツ氏は「3年間の派手な宣伝を経て、有料ユーザーがわずか1,500万人にとどまっていることに愕然とした(Floored)」と強い言葉で失望を露わにしています。競合であるAnthropicやGoogleが次々と高性能なモデルを投入する中、マイクロソフト製品の優位性が薄れ、「高いお金を払ってまでCopilotを使う意味があるのか?」と企業が再考し始めているのです。
さらにショッキングなデータも提示されました。株価収益率(PER)という指標で見ると、現在のマイクロソフトは、かつてのハイテクの覇者であり現在は安定成長株と見なされている「IBM」よりも割安な水準で取引されています。これは市場が、マイクロソフトを「急成長するAI企業」としてではなく、「重厚長大なインフラ企業」として再評価し始めていることを示唆しています。
ライツ氏は現状を「Lose-Lose(どちらに転んでも負け)」の状況だと指摘します。投資を止めればGoogleに負け、投資を続ければ利益が圧迫される。サティア・ナデラCEOは、この難局をどう舵取りするのか。次回の決算発表は、これまでになく厳しいものになりそうです。