Ep.812 Alphabet、47.5億ドルの巨額投資──「Intersect Power」買収で確保するAIの“食料”(2025年12月25日配信)
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2025年も残すところあとわずか、12月22日にGoogleの親会社Alphabetから、AIインフラの未来を占う大きな発表がありました。Alphabetは、米国のクリーンエネルギー開発企業「Intersect Power」を約47.5億ドル、日本円にして7000億円規模で買収することで合意しました。
生成AIブームの影で、今、最も深刻な懸念事項となっているのが「電力不足」です。NVIDIAのGPUを大量に並べたデータセンターは、いわば“電気を食べる怪物”であり、その食料を確保できなければ、どんなに優れたAIモデルも動かすことができません。
これまで、GoogleやAmazon、Microsoftといったテック巨人は、発電会社と契約(PPA)を結んで電気を「買う」立場でした。しかし、今回のAlphabetの決断は、電気を作る会社そのものを「買う」という、一歩踏み込んだ垂直統合戦略です。これは、単に既存の発電所を手に入れるだけでなく、Intersect Powerが持つ「将来の建設予定地(パイプライン)」と、複雑な電力網に接続するための「開発チーム」を丸ごと獲得することを意味します。
Web上の報道やアナリストの反応を見ると、この動きは競合他社とのアプローチの違いを鮮明にしています。MicrosoftやAmazonが、スリーマイル島などの「原子力発電所」の再稼働に巨額を投じてベースロード電源を確保しようとしているのに対し、Googleは太陽光と大規模蓄電池、そして地熱などを組み合わせた「再エネの安定化」に軸足を置いています。
買収完了は2026年前半を見込んでおり、これによりGoogleは2028年までに約10ギガワット規模の新規電源を確保できる見通しです。かつて石油メジャーが油田を求めて世界を巡ったように、今のテック企業は「クリーンな電力」を求めて、エネルギー業界そのものを飲み込み始めています。