Ep.811 Z.ai「GLM-4.7」リリース──中国発“思考する”コーディングAIの衝撃(2025年12月25日配信)
Failed to add items
Add to basket failed.
Add to Wish List failed.
Remove from Wish List failed.
Follow podcast failed
Unfollow podcast failed
-
Narrated by:
-
By:
About this listen
2025年の瀬戸際、12月22日に中国から驚くべきニュースが飛び込んできました。北京に拠点を置くAIユニコーン、Zhipu AI(国際的にはZ.aiとしてリブランド)が、最新フラッグシップモデル「GLM-4.7」をリリースしました。
このモデルの最大の特徴は、徹底的に「コーディング・エージェント」としての能力を磨き上げた点にあります。GitHub Copilotのような単なるコード補完ツールを超え、Claude CodeやClineといった自律型開発ツールの中で、「自分で考え、計画し、実行するエンジニア」として振る舞うことに特化しています。
Web上の開発者コミュニティRedditやX(旧Twitter)での反応を見ると、特に評価されているのが「Vibe Coding」と呼ばれる能力です。これまでAIにWebサイトを作らせると、デザインがどこか古臭かったり崩れていたりすることがありましたが、GLM-4.7は「今風の」洗練されたUI/UXを一発で出力するセンスを持っています。これは、AIが単なるロジックだけでなく、視覚的な美意識までも学習し始めたことを示唆しています。
技術的なブレイクスルーとしては、「Preserved Thinking(思考保持)」機能が挙げられます。OpenAIのo1モデルなどが得意とする「思考の連鎖(CoT)」を、一問一答で終わらせず、会話全体を通して維持する技術です。これにより、数十回に及ぶやり取りが必要な大規模なアプリ開発でも、AIが「あ、さっきの話忘れてました」となることなく、文脈を完璧に理解したまま作業を完遂できるようになりました。
ベンチマークスコアも衝撃的です。難関とされる「SWE-bench」や「HLE」において、GLM-4.7はGPT-5.2やClaude 4.5 Sonnetといった西側のトップモデルと肩を並べる、あるいは一部で上回る数字を叩き出しています。3550億パラメータという巨大なサイズながら、必要な部分だけを使うMoE(Mixture of Experts)技術により、一般のPCでも動作する軽快さを兼ね備えている点も驚異です。
米国による半導体規制が続く中、中国企業が独自のアルゴリズムと最適化技術でここまでの性能に到達した事実は、2026年のAI覇権争いが米中二強の時代へと完全に突入したことを告げています。