Ep.808 NVIDIA「Nemotron 3」始動──エージェントAI時代の“協調する頭脳”(2025年12月25日配信)
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2025年も終わろうとしているこの時期に、NVIDIAがAIの「在り方」を再定義するようなモデル群を投入してきました。12月15日、同社は新たなオープンモデルファミリー「Nemotron 3」を正式に発表しました。
すでに「Nemotron-4」などの高性能モデルが存在する中で、なぜ今「3」なのか、そして何が新しいのか。その答えは「エージェントAI」への特化にあります。これまでのAI開発競争は、一つの巨大なモデルをどれだけ賢くするかという「個の強さ」を競ってきました。しかし、Nemotron 3は、複数のAIがチームを組んで働く「集団の連携」を前提に設計されています。
今回リリースされたのは、軽量モデルの「Nemotron 3 Nano」です。Web上の技術ドキュメント(ホワイトペーパー)を読み解くと、このモデルには「Mamba-Transformer Hybrid」という非常にユニークなアーキテクチャが採用されています。これは、実績のあるTransformerの推論能力と、Mambaの圧倒的な処理速度をいいとこ取りしたもので、複数のAIエージェントが絶えず会話をしながらタスクを進めても、遅延(レイテンシ)を感じさせない軽快な動作を実現しています。
NVIDIAは、まずこのNanoを市場に投入し、2026年前半にはより強力な「Super」および「Ultra」モデルをリリースする計画です。これにより、開発者は「司令塔には賢いUltra」、「実作業には高速なNano」といった具合に、適材適所でAIチームを編成できるようになります。
ジェンスン・フアンCEOが常々語ってきた「AIファクトリー」の構想が、単なるハードウェアの話ではなく、そこで働く「AI労働者(エージェント)」のソフトウェア基盤としても完成しつつあることを強く印象づける発表と言えるでしょう。