
第498話『容易な道を選んではならぬ』-【軽井沢にゆかりのある作家篇】有島武郎-
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有島武郎(ありしま・たけお)。
『カインの末裔』『生まれ出づる悩み』『或る女』『一房の葡萄』など、今も読み継がれる傑作を世に送り出した作家の、あまりにセンセーショナルな心中事件は、新聞で大きく取り上げられました。
相手の女性は、波多野秋子(はたの・あきこ)。
雑誌『婦人公論』の記者でした。
有島は妻亡きあと、ずっと独身を通していましたが、波多野には夫と3人の子がありました。
享年、有島45歳。秋子30歳。
亡くなったとされる6月8日、有島にある決断が迫っていました。
秋子の夫から、不義を訴えられていたのです。
高額な慰謝料を払うか、姦通罪で監獄に入るか。
一説には、秋子の夫が、ブルジョアで流行作家だった有島に対し、金をとれるだけとろうと脅していた、と言われています。
有島は、そのどちらの選択も捨て、秋子と軽井沢行きの汽車に乗ったのです。
有島武郎にとって、由緒正しい有島家の長男に生まれたことは、想像を絶する重荷でした。
気が弱く、自己主張のできない武郎にとって、泰然自若な父は、大きな壁、決して越えられない山のような存在だったのです。
小説家としての才能を認められながら、彼が作家一本で世にうって出られなかったのは、有島家の呪縛に勝てなかったから。
人生が大きく動いたのは、38歳のときです。
妻を亡くし、父もまた、病で亡くします。
このとき初めて、文豪・有島武郎が誕生したのかもしれません。
彼の行きついた最期はともかく、彼が書いた優れた小説を裏打ちするのは、安易な道を選ばないという矜持でした。
今、自分が置かれている状況で、最もつらい道を選択する。
それは、多くの血や汗をともないます。
ですが、それを選ばなければ、この世に生まれて来た本来の仕事ができない、そう思うのなら、あえて、茨の道を進むしかないのです。
自ら地獄に飛び込んだ、大正時代の文豪、有島武郎が人生でつかんだ、明日へのyes!とは?
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