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2026年グローバル債券市場見通し:ミクロなテーマに集まる注目

2026年グローバル債券市場見通し:ミクロなテーマに集まる注目

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来年にはマクロのショックよりもミクロのトレンドに注目が集まりそうなのはなぜなのか、弊社のアジア太平洋サミットの会場からチーフ債券ストラテジストのヴィシー・ティルパターが解説します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。本日は、グローバル債券市場の2026年の見通しと主要テーマについて、弊社チーフ債券ストラテジストのヴィシー・ティルパターが、シンガポールで開かれているモルガン・スタンレー・アジア太平洋サミットの会場からお話しします。このエピソードは11月20日 にシンガポールにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。昨年は政策の予測が難しく、私たちの仕事も本当に複雑になりました。今年は今年でまた困難が巡ってくるわけですが、弊社では、今年はミクロのトレンドが市場を動かす、それもリスクに対する全般に前向きなスタンスに適応する形でそうなるとみております。弊社エコノミストによる予測のベースケースでは、ディスインフレが続き、経済成長率は2027年までに潜在成長率に収斂していく、そしてその潜在成長率自体も改善する可能性があるとされています。特筆されるのは、需要の増大と生産性の向上を検討した上振れシナリオをあわせて示す一方で、下振れシナリオが比較的穏やかなものにとどまっていることです。米国は2026年も世界の中心であり続け、米国主導のショック、良いショックと悪いショック両方がグローバルな経済・市場の成り行きを左右することになりそうです。 2025年の米国経済は、健全なバランスシートと富の増加に支えられた堅調な消費と人工知能(AI)への活発な設備投資という2つの要因が経済成長を下支えし、通商政策の向かい風にもかかわらずリセッション(景気後退)の危機を回避することに寄与しました。2026年については、平坦な道のりにはなりそうにないものの、上記と同じ構図がべースケースの見通しを支え続ける公算が大きいと思われます。FRBは、労働市場の軟化と堅調な消費支出が併存するおなじみの難問に直面しています。弊社の基本シナリオでは、失業率の上昇につれて景気を中立にするような利下げが行われ、下半期に回復がみられると想定しています。米国外では、ほとんどの国で経済成長率が潜在成長率に、政策金利が景気に影響を及ぼさない中立金利に、それぞれ2026年末までに向かうと思われますが、そのタイミングと軌道は異なるでしょう。また近年みられるように、グローバル経済の様子は米国主導の行動の効果と副次的影響に左右されることになりそうです。弊社のマクロ・ストラテジストは、国債利回りは一定のレンジ内で推移するが2つの局面に分かれるだろうと予想しています。具体的には、FRBによる計50ベーシスポイントの利下げを受けて債券価格が上昇し、10年物米国債利回りが年央までに押し下げられる局面と、その後第4四半期にかけてじりじり上昇する局面を見込んでいます。イールドカーブがスティープ化するとの見通しには引き続き強い確信があり、特に、2年10年カーブにその傾向が現れるとみています。米ドル相場も同様な展開になり、年央に下落してから年末にかけて反発するとみています。AI投資の資金調達が重視されるようになり、クレジット市場に関心が集まっています。私がシンガポールでこれまでに参加したいずれの会議でも話題になっていたほどです。したがって、次のAI関連投資の波を可能にするにあたって、クレジットは中心的な役目を担うことになりそうです。無担保のクレジットから証券化されたストラクチャード・クレジットに至るまで、そして公開市場と非公開市場(プライベート市場)の両方でそうなるでしょう。弊社のクレジット・ストラテジストと証券化クレジット・ストラテジストは、2026年に行われるデータセンター建設資金の調達はIG債の発行が中心になると見込んでいます。...
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