日本一の高級住宅街で「街ブラ」ロケは可能なのか《松濤》 #17 cover art

日本一の高級住宅街で「街ブラ」ロケは可能なのか《松濤》 #17

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日本を代表する高級住宅街である渋谷区松濤。 ここで街ブラロケをやってまいりました。 まず「松濤」の「濤」という漢字を書けるでしょうか。筆者は書けません。さんずいの隣、これどうなっているのですか。予算が余ったし勿体無いから画数を増やしたのでしょうか。とはいえ松濤にお住まいの皆様は当然ながら、この漢字を書けるのです。だって、その方々からすれば単なる住所ですから。手紙などの郵便物はもちろん、自遊空間に新規登録するとき、深夜の交番で「駐めていた自転車がありません」とお巡りさんに泣きつく時だって「渋谷区松濤云々」とすらり書くに違いありません。 など考えながら渋谷ハチ公前より歩いていれば、急に喧騒が遠のきます。梢が揺れ、葉が擦れ、クロアゲハを嫌がる松重の胴間声だけが夏に吸い込まれていきます。松濤に到着していたのです。 一旦、深海魚の話をさせてください。一旦です。 深海に生息する彼らは高水圧に耐え得る体構造をしています。だからこそ揚げられてしまうと浮き袋や目玉が飛び出してしまうのです。 松濤は深海のようでありました。「家」はありません。どれも「邸」です。圧倒的な塀の高さ。邸宅と邸宅の間にある普通にある大使館。『星の王子さまミュージアム』のような瀟洒ぶり。そして、人の不在。痛い。耳の奥が痛い。息が、苦しい。なぜでしょう。思い切ってダイブした松濤の街。その「お金持ち」ぶりが質量を帯びて我々の肺を押しつぶしてくるのです。深海、ここは資本の深海でした。我々のような「ポイント2倍デー」にしか買い物をしない不埒な連中は、もといた浅瀬へ逃げ込むより他ないのです。もちろん目玉が飛び出さないよう、上を向いて。 逃げ込んだのは「鍋島松濤公園」。瑠璃色の水面が輝く池を配し、遠くには水車小屋も見えます。幸いにして我々の目玉も飛び出すことなく安全圏へと避難することが出来ました。一安心です。 いや、安心している場合ではありません。そういえば「撮れ高」がゼロです。どうにかせねばと遊具の方面へ向かえば、遊んでいた男子小学生らが、何かに勘づき松重の周りに蝟集。それはもうもみくちゃ。聞くところ、みんなこの辺りに住まう松濤キッズとのこと。 どこかホッとしました。例え超高級住宅街に生まれても、マイクを持っている大人を見かければ押し寄せる、男子小学生の習性は共通しているのです。松重、想像以上に子供らに群がられています。写真が掲載できないのが残念ですが、モッシュです。松濤モッシュです。そんなときに松重が「お年玉、みんないくらもらったの?」なんて下世話な質問を子供に投げかけます。 「うーんと、だいたい25万くらい」。おいまじか。結局、目玉飛び出して、帰宅。 文責:洛田二十日(スタッフ) Learn more about your ad choices. Visit megaphone.fm/adchoices
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