11月27日(木)Podcast「テレビ演出×AIの最前線――藪木健太郎さんが語る“映像づくりのこれから”」 cover art

11月27日(木)Podcast「テレビ演出×AIの最前線――藪木健太郎さんが語る“映像づくりのこれから”」

11月27日(木)Podcast「テレビ演出×AIの最前線――藪木健太郎さんが語る“映像づくりのこれから”」

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今回のPodcastでは、テレビ演出家として長年第一線を走り続ける Sunny Pictures の藪木健太郎さん を迎え、映像制作現場における AI 活用の最前線を深掘りした。藪木さんは、爆笑レッドカーペット、エンゲイグランドスラム、ザ・ベストワン、マスクドシンガーなど、数々の大型エンタメ番組を手掛けてきた人物。フジテレビ時代には照明部として『北の国から』にも参加し、フロッグマンとも“現場仲間”として旧知の仲だ。 現在は独立し、テレビ局横断で地上波・配信・イベントまで幅広く制作を担う藪木さん。近年、彼の仕事に大きく影響しているのが「生成AI」。特に、企画書づくりの初期段階では、スマホにメモしてきたアイデアをプロンプトとして AI に渡し、「まとめ」「整理」「論点化」させることで、ブレスト前の“下ごしらえ”が圧倒的に楽になったという。ただし、AI側に企画の主導権を渡さず、「自分が何を作りたいか」の芯を明確に持つことが必要だと語った。 番組では、実際に AI映像を地上波バラエティで使用した裏話 にも言及。テーマパークの“つけ耳”や“Tシャツ”といった架空のグッズを扱う再現VTRは、美術発注やセット制作を行うと時間も予算もかかる。そこでフロッグマンのAI映像を導入したところ、スピード・コスト・クオリティのバランスが良く、「この領域はAIがハマる」と手応えを感じたと語る。 一方で、テレビ局がAI導入に慎重な理由として「権利処理・著作権リスク」を指摘。どの素材を元にAIが学習・生成したのかが曖昧なケースもあり、後から炎上するリスクを避けるため、まだ“未知の技術”として慎重姿勢が続いているという。放送業界はもともと慎重で、チェック体制も厳格なため、通信・配信のほうが先にAI映像が浸透しつつある現状を説明した。 ただし、音楽・BGM制作については、すでに“実質AI時代”に入っていると分析。番組BGMや簡易の歌モノなどはAIとの相性が良く、生成精度も違和感が少ないため「知らないうちにAIが入り込んでいる領域」と指摘した。 最後に、AIと笑いの未来について質問されると、藪木さんは「面白ければ何でもいい」と笑顔で即答。芸人のネタ作りをAIで補助する未来や、AIコント大会のような企画まで構想しており、「ネタの民主化」が起こる可能性にワクワクしていると語った。 AIは脅威ではなく、“面白いを一緒に作る相棒”。 そんな視点が、現場を知り尽くした演出家ならではの言葉として印象に残る回となった。
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